最近のトピックス『婚活疲労外来』

New!『婚活疲労外来』設立のお知らせ


婚活の実態

当クリニックでは、これまで精神疾患全般を治療対象とし、専門外来を特別に設けることはしませんでした。
ですが、昨今の「婚活」の実態を見ますと、婚活地獄と言われている程であり、
「婚活」にただ疲れたというよりも、
軽いながらも精神疾患の認められるケースが少なくないことに驚きを禁じえません。
配偶者を得るという人生の一大イベントに直面し、
「婚活」特有の病態に陥っているのです。



婚活で起きる病気;「婚活疲労症候群」

誰でも配偶者の選択には慎重になりますから、一度の出会いで双方が結婚を決意するのは例外的な場合でしょう。
むしろ、何度かの出会いの中で、比較検討して相手を選択する、というのが通常のパターンでしょう。
ところが、新たな出会いを何度か繰り返すということは、その間、相手から断られたり、相手を断ったりするということです。
配偶者を選ぶ時には、性格や能力をはじめとして相手をあらゆる角度から検討して判断するわけですから、
相手から断られる、という事態は、自己の全人格を否定された体験となります。この全人格を否定される体験は日常生活で頻繁に起こる体験ではありません。
このような非日常的な体験を一度ならず、二度、三度と繰り返すことでうつ病を発症しやすくなります。
また、当然のことですが、断られることについての恐怖心が高まって行き、拒絶に対する恐怖症に陥りやすくなります。
また、恐怖症の身体的表われの一種ともみなせる過敏性大腸炎も出現しやすくなります。
大切な場面であればあるほど、トイレに行きたくなってしまいます。
結婚相談所などを活用して「婚活」を行っている方の中には、異性と接することに関してはじめから恐怖心を抱いている方も少なくないかもしれません。
そのような方が何度も拒絶に遭うと、異性恐怖症はますます強まるでしょう。
拒絶に何度も遭うことは、上記のメカニズムで、うつ病や恐怖症に陥りやすくするだけではなく、将来の人生に対する絶望感をもたらします。
すべての人が結婚生活を望んでいるわけではないでしょうが、「婚活」を行っている人は結婚生活が自己の人生の充実に不可欠と考えている方でしょう。
このような期待を抱いている方が何度も拒絶に遭うことは、今後の人生に関して強い閉塞感をもたらします。
そのために、早々に不眠が出現するでしょうし、さらに高じると、やはりうつ病に陥りやすくなります。
「婚活」により全人格を否定される体験を通じて、
不安・恐怖・抑うつなどの症状が出現する病態を、「婚活疲労症候群」と名づけることができるかもしれません。



『婚活疲労外来』とは?

以上からわかりますように、「婚活」は自己の人生を賭けた大勝負だけに、それに見合ったメンタル・サポートが必要であり、
不幸にして、症状が出現した場合には、適切な治療が必要です。
そして、メンタル・サポートと治療を行うことにより、挫折しかけた気持ちを立て直し、再び「婚活」に立ち向かうことが可能となるのです。
納得できる出会いまで粘り強く「婚活」を続け、幸せな結婚を実現すること。それを応援するのが『婚活疲労外来』なのです。



共同治療者

なお、今回、『婚活疲労外来』設立にあたって、
うつ病の臨床研究と治療に造詣の深い小野博行先生をお呼びしました。
「婚活」特有の病態に関しては、うつ病かうつ病でないかの見分けがとりわけ重要だと考えたからです。



診療形態

当クリニックでは、保険診療のほか、自費診療も行っております。
婚活中の方は、精神科に通院することが人に知られた場合、結婚に際して不利になるという意識を強くお持ちのこととお察しします。
保険診療を受けることにより、精神科通院の事実がいずれかの経路によって漏れてしまうのではないか、という懸念が生じても不思議はありません。
そのような方のために、保険という社会制度を利用しない自費診療もご用意いたしました。
費用の詳細はクリニックに直接、お問い合わせください。







最近のトピックス2『一度限りのメンタル診断』

『一度限りのメンタル診断』とは?

精神科も最近ではポピュラーになってきたとはいえ、
依然として敷居が高いとお感じになっている方も少なくないでしょう。
あるいは、精神科の薬を服用するのは怖いとお感じになっているかもしれません。
しかし、そのような精神科受診に対する躊躇がある一方で、
自分の不調は精神科的な病気によるものかもしれず、
一度診察を受けてみたいとお考えになっている方もいらっしゃることと存じます。
精神科受診に関して、躊躇と必要性の両方を感じ、
その板ばさみの中で受診を決断できないでいる方のために、 一度だけ診察を行い、精神科的な病気に陥っているのかいないのか、
もし、精神科的な病気に陥っているとしたら、どのような病気の可能性があるのかを診断し、
ご説明するというコーナーを設けました。
その結果に基づいて、治療を受けるか受けないかは、ご本人の判断に委ねられます。
すなわち、診断を行った結果、医療の名のもとに治療や服薬を強要するのではなく、
最大限にご本人の主体性を尊重するのが『一度限りのメンタル診断』なのです。


診察形態・費用

『一度限りのメンタル診断』の場合、保険診療は行わず、自費診療を行います。
それは、診察の結果、病気ではないという結論が出ることもあるでしょうし、
また、もし保険診療を行うならば、
社会制度的レベルで受診の痕跡が残ってしまいます。
このような痕跡が残ってしまうことを危惧される気持ちを十分に汲み、
自費診療を採用することにいたしました。
費用は60分で3万円です。







トピックス3『離婚後うつ病サポート外来』

離婚後のうつ病発症傾向

近年の離婚率の増加には著しいものがあり、
厚生労働省の「平成20年 人口動態統計の年間推計」によりますと、
平成20年の離婚件数は25万1000組で、
ここ数年、年間離婚件数は約25万組〜25万5千組で推移しています。
年間約50万人の方が離婚し、10年間ではおよそ500万人の方が離婚している計算になります。
一方、ライフイベント(人生上の重要な出来事)調査では、
うつ病発症と関連の深いライフイベントとして、離婚や死別、その他の喪失体験が挙げられています。
すなわち、離婚後、高率にうつ病を発症するわけであり、
離婚件数の多さを考え併せますと、離婚後にうつ病を発症した方は極めて多いと推察されます。



離婚後うつ病の特徴

なぜ、離婚後にうつ病になる人が多いのでしょうか?
この疑問に答えるためには、なぜ人は結婚するのか? という問いにまず答える必要があるでしょう。
なぜ人は結婚するのか? 
それは人間の本能であって、つがいを形成し、子供を作り、自らのDNAを子々孫々伝えるためである、
という見方もあるでしょうが、それは十分な解答ではありません。
結婚とは社会制度であり、つがうだけなら結婚という社会制度に乗る必要はないからです。
これは私見ですが、人が結婚するのは、死に向かって着実に進行する人生において、
寄る辺のなさ(心細さ)を感じ、つがうことにより相互に支え合い、
寄る辺のなさの解消を図るためであり、
つがい形成を結婚という形で社会制度化するのは、
子供の安定的な養育に保障を与えるという意味も少なくないでしょうが、
つがい形成の破綻にまつわる絶えざる不安を緩和するためだと思われます。
離婚に至った時点では、多くのものを喪失しています。
配偶者を失い、家庭を失い、離婚をめぐる確執によってエネルギーを消耗し、
そして何よりも、充実した人生にするべく努力してきた時間を失います。
DV(家庭内暴力)の被害者の方の場合、牢獄にも等しい結婚生活から解放される離婚は、
まことに晴れやかなものだと思いますが、その場合でも、「時の喪失」は免れえません。
離婚後にうつ病を発症しやすいのは、「時の喪失」を中心に貴重な多くのものを喪失するためであり、
また、死すべき存在という根源的な寄る辺のなさに直面するためだと申せましょう。
そして、この多大な対象喪失体験と寄る辺のなさが離婚後うつ病の特徴となっています。


『離婚後うつ病サポート外来』とは?

離婚後うつ病の治療にあたっては、喪失体験に十分な配慮をするとともに、
死すべき存在に起因する寄る辺のなさを常に念頭において治療することがひときわ重要になってきます。
離婚が成立したということは、再び結婚ないしはつがい形成の可能性に開かれたということに他なりません。
通常、人は独立独歩に生き抜けるほど強靭な存在ではないでしょう。
したがって、離婚後うつ病の場合、新たなパートナーと相互に支え合う関係、
「相互サポート関係」を構築することが重要です。
では、パートナーが見つからない場合、どうしたらいいのでしょうか?
その場合は、社会のサポート的な連鎖の中に入って行くことが必要です。
うつ病は、サポートされるという受身な態勢が存続する限り十分には改善しません。
誰かをサポートするという能動的な態勢がとれるようになることが改善にとって不可欠です。
誰かが誰かをサポートするという繋がりを社会の中でたどって行くと、
大きなサポートの輪を描くことができます。
各人はこの「サポート・リング」の中で、サポートし、
サポートされるという関係に置かれることになります。
『離婚後うつ病サポート外来』とは、
「相互サポート関係」ないしは「サポート・リング」に入って行くことを
サポートしてうつ病を治療する外来なのです。





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